陶器と陶芸 布目の技法
器が好きな方も多いのではないでしょうか。いろんな陶器のイベントに参加し好きな陶器を集めるのもよいですが、自分で陶芸にチャレンジしてみるのもよいかもしれません。陶器を購入するだけでは味わうことができない楽しみを感じることができるはずです。
色んな技法を使って作ることになりますが、織部の角皿を作る場合は、粘土に布を押しつけて模様を写し取る布目技法を用います。
布目とは作品の表面に残った布の模様のことを指し、布地の縦糸と横糸が交差して出来る布の紋様のことと理解して間違いありません。紋様として生かすだけではなく、強度を出すためにも使用されています。もともとは、器のために用いられるのではなく、瓦を大量に生産するために用いられた方法でした。粘土の板を型に押しあて、型から粘土をはがしやすくするために布を使用されたのが初めて、と考えられています。奈良から平安時代によく作られており、それが始まりとなりました。
織部の器も型からはがしやすくするため、布目の技法を使用していましたが、その後装飾として用いられるようになります。麻布をはじめ、綿布やガーゼ等使用され、土離れがよく跡が残る布材がひろく使用されています。絵付けや色釉を行う場合、布が食いこんだ部分に釉薬がたまり、色の濃淡が出たり適度なザラつきが出て柔らかな質感になる等、いろんな変化を楽しむことができるはずです。